40 最近の視覚実験では,実験の 実施や実験データの解析にコン ピュータは欠かせない道具になっ ています。また,視覚研究で扱う テーマは非常に広く,視覚実験で は様々な視覚刺激が用いられ,そ れらを提示する方法や,反応の測 定方法には伝統的な手法や最近発 達してきた手法を含めて様々なも のがあります。 本書は,これから視覚実験を行 おうとする方々に直接役立つよう な実践的な研究のノウハウを解説 したものです。その内容は,実験 計画法,心理物理学的測定法,実 どうして食べ過ぎてしまうのだ ろうか。なぜ高級レストランの料 理はおいしいのだろうか。食行動 の異常はなぜ生じるのだろうか。 本書ではこれらの食行動の諸問題 における「心理学的なメカニズ ム」を,専門家以外の人にも分か るよう解説しています。 ただし,本書の狙いは心理的要 因に関する知見を網羅的に解説す ることではありません。むしろ, それらの知見を導き出したプロセ スの理解を重視しています。その ため,本書では解説するトピック を絞り込み,実験や研究の方法や 験環境と装置,様々な視覚刺激の 作成・提示法,視覚実験制御用ソ フトウェア,反応時間測定法,生 体情報・行動計測法,モデリング とシミュレーションなどの解説に 加えて,視覚実験の応用事例の紹 介,研究成果のまとめ方や国内外 での発表の仕方,特許の取得や研 究倫理の問題など,実験の計画か ら成果の発表まで,やらなくては ならないものがすべて含まれてい るといっても過言ではないものと いえます。視覚研究の初学者から ベテランまで,多くの方々に利用 していただけたら幸いです。 データを具体的に紹介することに 紙数をさきました。これが,本書 の最大の特徴です。 第Ⅰ部は基礎的な研究を紹介 しています。脳の働きや学習の要 因,社会的な影響,さらには食品に 関する消費者行動研究まで幅広い 話題を扱いました。第Ⅱ部は臨床 に関する研究を紹介しています。 科学的な根拠のある心理学的介入 法を解説するだけでなく,とくに 行動分析学に基づく新しい取り組 みを積極的に紹介しました。意欲 的な研究がまさに進行していくさ まを感じていただけるでしょう。 いちはら しげる 首都大学東京名誉教授。専門は知覚心 理学。著書はほかに『感覚知覚心理学 (朝倉心理学講座 6)』(分担執筆,朝倉 書店),『感覚・知覚・認知の基礎』(分 担執筆,オーム社),『視覚系の空間的 特性(眼科学大系 6)』(分担執筆,中 山書店),『新編 色彩科学ハンドブッ ク』(分担執筆,東京大学出版会)な ど。 あおやま けんじろう 同志社大学心理学部教授。専門は食行 動の心理学・学習心理学・行動分析 学。著書はほかに『食べる:食べたく なる心のしくみ(行動科学ブックレッ ト 8)』( 二 瓶 社 ),『 セ ル フ・ コ ン ト ロールの心理学:自己制御の基礎と教 育・医療・矯正への応用』(分担執筆, 北大路書房)など。 編著 市原茂・ 阿久津洋巳・石口彰 発行 朝倉書店 A5 判/ 320 頁 定価 本体 6,400 円+税 発行年月 2017 年 6 月 編著 青山謙二郎・武藤崇 発行 北大路書房 A5 判/ 264 頁 定価 本体 2,500 円+税 発行年月 2017 年 6 月
心理学ワールド 81号 自著を語る 自著を語る 市原 茂(首都大学東京 名誉教授)(編著) | 日本心理学会
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